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老舗計画株式会社

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西成の飲食店潜入したよ

西成で貰った小銭

やんちゃで賭け事が大好きだけど一本筋は通っている破天荒な父親、そのおかげか無茶苦茶しっかり者の小学生の娘が切り盛りするホルモン屋を中心に巻き起こる日常をテーマにしたじゃりン子チエってアニメが昔ありまして、ほのぼのとした中にも何か切なさを感じる世界観が大好きでいつかはその舞台となった地に訪れたいと思っていたものでした。

そして念願叶いまして、先日大阪は西成区へお邪魔する事ができました。今日はそんな西成区の飲食店で感じた事をお伝えしようと思います。

噂のホルモン焼き

日本で唯一暴動が起きる場所、という噂もあり警戒をしていたのですがまず僕を出迎えてくれたのは商店街の一角にある人だかりでした。そこは店舗から通路へ鉄板がだいぶせり出したホルモン焼きのお店。鉄板を囲むようにチューハイの缶を持った人たちがガヤガヤをしています。

並んでいるのかどうなのか一見すると不明で戸惑っていると、隣のお兄さんが「割り込んで行って飲み物頼んだらええんや!」と優しくチュートリアルをしてくれました。ここはまず缶飲料を頼み、空いた缶に食べた串を入れていってそれで会計するシステム。つまり串を入れるためにはすぐに缶を空けないといけない合理的さがありました。

どの串を頼もうか悩んでいると今度は別のレゲエ的兄さんがあれこれ教えてくれて、その隣のおじさんが「兄ちゃんどこから?」と、一人でスマホ見ながら飲む暇もなく楽しく過ごせています。そして素晴らしいのはその間、親方はほぼ無言でひたすらホルモンを焼いている事です。まさに店はお客様が作るが詰まったお店です。後日Twitterで「西成 ホルモン レゲエ」で検索したらレゲエ兄さんは毎日ずっといるらしく、勝手に店長だと思われているらしく吹き出しました。

最初にチュートリアルしてくれたお兄さんが会計を済ますと「兄ちゃん少ないけどこれでまたホルモン食べや」とお釣りを渡してくれました。

路上ラーメン

店を出て少し歩くと通称三角公園、四角公園と言われる場所には段ボールやブルーシートで住居を構えている人たちが多く、車中生活していた時を思い出しつつ歩くと今度はその横の車道に椅子を置いて飲んでいる人たちを発見しました。

1メートルもない間口の前には「ラーメン200円」などと書かれていて眺めていると「ラーメン食べてたほうがえぇで!この前YouTuberも食べていったんや」と、これもまた椅子で飲んでいるおじさんの声。

店舗奥にいたママさんに注文を済まし、僕も車道に座り込んでチューハイを飲みつついると「どこから来たんや?」「ここのラーメン200円だと思ったらびびるで」といつの間にか輪に入れてもらってまたも賑やかな席となりました。

車道なので人通りもある程度あるのですが、誰かが通るたびに「◯◯さん!この兄ちゃん仙台から来たみたいで!」「兄ちゃん、この人はな西成のレジェンドや!」とどんどん紹介してくれるものでいつの間にか車道の向こう側にもお客さんが座り始め、しまいには8人くらいがひしめく店頭となりました。

が、実はその間店のママさんは「ちょっと出ていくわ。あとよろしく」と常連さんに伝えてどこか行っちゃっていて、その間常連さんがドリンク提供をしているのです。

滞在中、謎の美顔器を2,000円で売られそうになったり、タブレットでエロ動画を爆音で視聴しはじめたり、退席していたママさんがいつの間にか飲み始めていたりとまだ15時過ぎなのに混沌としていて(これがテツやチエちゃんがいた世界なんだな)と変に感動をしてしまいました。

その後も「近くに100円でうまいお好み焼きあるから紹介したるわ!」とわざわざ店まで連れてきて「これで兄ちゃんに食わせてやって!」とまたもご馳走されました。西成の方々にこんなにご馳走してもらったコンサルタントは僕くらいでしょう。

「俺な、二年前まであの公園に住んどったけど今はちゃんと家借りてるんや」と二軒目のおじさんの言葉を何度も思い出しつつ、お好み焼きを頂きました。

第三の場

ほぼ接客はゼロのお店達ですが、そこに集まる人たちの大切な場なんだと感じました。西成という地域にとって飲食店が持つ意味は食事を提供する以上に深いものがあるのでしょう。

お兄さんが渡してくれたお釣りや、お好み焼きをご馳走してくれた事も、僕のような新規客に「どうだい、俺の住んでいる西成は良いところだろ」と伝える意味もこめてあったのかもしれません。店内装飾がない事をそこに集まるファン、信者となるお客様が補完していて、それが模倣しにくいオンリーワンの店となっていました。まさにお店はお客様が作り上げるを体現していました。その店があってよかった、と思われる店を目指すとは言いますが、西成で改めてその意味を感じた一日でした。

ちなみに一時間後二軒目の前を通りがかったら、えげつない喧嘩が起こっていて「あぁ、やっぱりテツがいる街なんだよな」と改めてあの漫画の世界を味わえました。西成またお邪魔します。