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たいへんご無沙汰をしておりました。
毎日更新をやめると、ここまで放置してしまうのか。。。と両極端すぎる自分にびっくりです(笑)ネタが無いわけではないのですが、まぁいろいろ言い訳しちゃう弱さったらないですね(笑)
というわけで3月です。もう終盤ですが(汗)3月といえばそう毎年恒例の(S1サーバーグランプリ全国大会)でございます。
もう僕のライフワークといってもいいこの大会。最初にエントリーしたのが6回大会なのでもう半分以上関わっている感じですね。9回大会あたりからは東北地区のお手伝いなんかもやっちゃっていて、14回目の今回もばっちりステージ進行のお手伝いでした。
もはや運営側なのかと(笑)
全国から集ってきた素晴らしいサーバーさんがステージに立つ、その最後の最後を僕が担当しているわけで、結構責任重大なんですよ。もうくたくたでございましたもん。
東北地区からは中城ちゃん。めちゃくちゃかっこいいステージありがとうございます!
今回の優勝者はまたも燗アガリから、同窓会にも参加してくれた高橋かほさん。圧巻のステージでございました。
今回はファイナリストすべて900点超えというハイレベルな大会で、神回とか言われています。実際僕も今までの中で(大会)として考えると一番のクオリティだったと思います。
大会終了後、みな口々に言っていたのは
「三人の戦いだったよね」
という話。特に三名のサーバーが抜きん出ていて誰が優勝でもおかしくなかった。
敢えて名前は出しませんが、一人は僕と同年代の女性なんだけど焼鳥の職人。もうめちゃくちゃチャキチャキしていてサーブも経験とロジック、そして所作もビシッとしていて見ているだけでも酒が飲めてしまうよう。
もうひと方は、この人は本当に人にサーブするために生まれてきたのだろうな。と思ってしまうとしか言いようない女性。多分店以外でも困った人がいたら絶対とことんまで寄り添うことは想像に難くない方で、キャラの中にもしっかりとした軸があって単なるゆるキャラ的存在ではないのが彼女の素晴らしさ。
そして最後に優勝の高橋かほさん。
昨年の全国大会で涙をのんだ彼女はスケールアップして帰ってきました。元来の愛嬌の良さに舞台度胸がついて、プラスしっかりとした軸を持った接客を遺憾なく発揮してくれました。その軸とは「一を聞いて十を知る」。
今回のお題は、真ん中のテーブルの男性が小銭を落としてしまって前と後方のテーブルに小銭が転がってしまった状況。
前のテーブルに座る女性の足元に小銭が行くのだけど、男性はまず小銭があるか確認するために女性の足元を注視するんだけどそれがキモい!と女性からクレームが入るところからスタート(笑)
他のファイナリストは、その話を聞いてまず男性のところへとヒアリングに行ったんだけど高橋さんだけは「なぜ男性がそこを見ているのかの原因を深掘り」したんです。つまり女性の足元を最初にチェックしたことにより落ちてる小銭に気づいたんです。
他の皆さんは、「現象」に対応していたんだけど、高橋さんは「原因」に対応していた。これってめちゃくちゃ画期的なことです。火が出てるなら元栓しめちゃえばいいじゃん、ということ。しかもそれを持ち前の愛嬌でフォローしつつ行うのだからスキがない。
この原因に対応するのって、実営業のときはだいたいそうやっていると思うんだけどステージの上でやれるか?となると絶対難しい。
でもこれができた、ということは今後例えば同じお題が出た時に通常なら女性からの声がけに反応する事から始まるのではなくて、真ん中の男性がキョロキョロしているのに気づいた時点でそこに駆け寄る事ができてしまうのだろうなと。
トラブルが起きる前に処置しちゃうのが実営業だと一番だもんね。となると、今後の規定審査のお題がますます難しくなりそうだなぁ。
ちょっと話を戻しますが、今回のその三名って
○職人気質で経験と自信に基づいたかっこいいサーバー
○天性の人柄とホスピタリティが軸となったキャラ立ちしたサーバー
○愛嬌と度胸とロジックが備わったサーバー
という過去のエントリー者をカテゴリ分けして、その要素を高レベルで昇華したような三人なんですよ。今までのS1集大成って感じ。
なので、僕が今回の大会で強く感じたことって
「S1は一つの到着点にきたなぁ」
という事。
多分、大会のスタイルとかこのままであれば今回のその三名がベースになるんじゃないかなぁと思うわけです。それくらい完成度が高かった。
創業期、成長期、発展期、成熟期
と企業の成長のフェーズは変わっていくけど、今回の大会でS1は成熟期に到達したんだなと感じるわけです。
が、成熟期は衰退期と表裏一体なわけなんですよね。
総評で柴さんが「外食が一つになった日」という話をされていました。
もちろん僕もそうだと思うんだけど、ちょっと無視したくない話なんかがたまに聞こえてくるわけです。
それって
「結局単価の安いところでやっている大会なんでしょ」
という話。
S1がライフワークになっている僕としては看過できない話なんですよ。
なので先日こんな事をTwitterに。
高級店の話しでよく
(一流のお客様)
とか出す人いるけど、そこらへんランク分けするべきなのかなぁ。悪意のあるクレーマーとか、ありがたくないお客様は確かにいるから
ありがたい、ありがたくない
程度でいいんじゃないのかなぁ……もしくはその中でも好きなお客様ぐらいでいいんじゃね?
その話出してる人の多くは
(一流のお客様に囲まれてるから私は一流)
って流れになってる感じするんだよなぁ。
べつの店に移ってもお客様が追っかけてくれたら文句なく一流だとは思うけど、そこらへん色々聞いてみたいな。
ちなみに今回のS1サーバーグランプリは一つの到達点に来たと思ってます。全体の底上げ半端なかった。
でも今後もっと化学反応起こすのであれば客単一万円以上の高級店をどれだけ巻き込むかが必要になりそう。向き合うタイミングじゃないかな。
円熟期を迎えたS1、今後黒船のように高級店がどんどんエントリーしてきてまたアツい大会となる事を期待しているし、僕もあえて高級店にエントリーの働きかけをしてみようと思ってます。
S1は技術を競うのではなくて「また会いたい」を可視化する大会だからこそ、大衆店と高級店が同じステージに立って最終的にはそれがお客様の利益や飲食店の明日へと繋がるはずだし、それが叶ったときこそ本当に外食が一つになった日、となるんだろうな。
そんな事を大好きなサーバーグランプリで感じたわけです。
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本日も皆様にとって素晴らしい一日でありますように!
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このブログを書いた人
老舗計画代表 阿部大
1975年10月13日生まれ、宮城県在住。
ホテル専門学校卒業後、フレンチレストランからホテル等のキャリアを重ね2003年に飲食店開業。
勢いだけで開業したため、数々のトラブルを経験。コンセプトやチームビルドの必要性を身をもって体験。
サービスマンとしてはサーバーグランプリのファイナリストとなり東北を代表するサービスマンとなるも、震災の影響などで飲食店を廃業。
その後は接客スキルを活かし「接客アドバイザー」として活動するも、接客を活かすのはまずお店自体を整える事が先決であると一念発起し、飲食店コンサルティング老舗計画を立ち上げる。
飲食店で起こりうる様々なトラブルや、経営者の孤独さや廃業の悲しさを体験した(リアルなコンサルタント)として、東北はもとより日本全国で数々の成功事例を立てる。
詳しくは老舗計画HPプロフィールページにて。
素敵な家族やお客様に囲まれ、毎日わくわくしながら生きています。
もっとヘビーな紹介はこちら(笑)アナザーライフさんインタビュー